Grokの歴史:Grok-1からGrok 4.7まで
3年間で10以上のモデルが登場し、社名変更も経験しました。各リリースの日付や進化のポイント、実現されなかった告知など、Grokの軌跡を時系列で振り返ります。

Grokの歩み
2023年末、Xの有料ユーザー向け皮肉屋チャットボットとしてスタートしたGrokは、2026年にはコーディングツールやオフィス向けアドイン、バンドルサブスクリプションで利用される最先端フロンティアモデル群へと進化しました。その間、開発元であるxAIはXと合併し、SpaceXに買収され、社名を2度変更しています。リリース速度も加速し、当初は年1〜2回だった大型モデルの公開が、2026年夏にはほぼ毎月のように新フラッグシップが登場するまでになりました。
このページでは、xAIの公式発表や開発者向けリリースノート、主要報道機関の情報をもとに、その歴史を年を追って振り返ります。情報源によって日付が異なる場合は月のみを記載しています。
2023年:X加入者向けチャットボット
イーロン・マスクは2023年3月にxAIを設立し、少数の研究者チームとともに同年7月に公式発表を行いました。同社の最初の製品は2023年11月4日に登場したGrokです。『銀河ヒッチハイク・ガイド』に影響を受けた、反抗的でユーモアあふれる個性を特徴としていました。ベースモデルにはGrok-1が採用され、Xの最上位有料プランであるX Premium+ユーザー限定の早期アクセスベータとして公開されました。
当初からGrokの最大の強みはXとの連携でした。プラットフォーム上のポストをリアルタイムに活用できるため、トレンドの話題にも素早く反応でき、この連携は現在に至るまで製品の代名詞となっています。
2024年:ウェイトのオープン化、ビジョン機能、無料提供
2024年は、Grokが大きく成熟し、広く開放された年となりました。
- 3月17日:xAIが3,140億パラメータのMoE(Mixture-of-Experts)モデルであるGrok-1の重みを、Apache 2.0ライセンスのもとGitHubおよびHugging Faceで公開。当時としては最大級のオープンモデルとなりました。
- 3月下旬:推論能力が向上し、128,000トークンのコンテキストウィンドウを備えたGrok-1.5が登場。利用対象がPremium+だけでなく、すべてのX Premiumユーザーへ拡大されました。
- 4月12日:画像認識に対応した初のモデル、Grok-1.5 Visionのプレビューが公開。
- 8月13〜14日:Grok-2および小型のGrok-2 miniがリリースされ、X上での画像生成に対応。しかし、画像生成に関するコンテンツ規制の緩さが直後から議論を呼びました。
- 10月・11月:xAIが開発者向けAPIのパブリックベータを開始。
- 12月:独自開発の画像生成モデルAuroraが登場。12月12日にはすべてのXユーザー向けに高速版Grok-2が無料開放され、Premiumユーザーにはより高い利用上限が設定されました。当時の報道によると、無料枠は数時間ごとに数通のメッセージ送信が可能とされていました。
2025年:Grok 3、Grok 4と多様な派生モデル
2025年1月、GrokはXの枠を超えて独立しました。1月9日に米国で単独のiPhoneアプリがリリースされ、grok.comも独立したウェブアプリとなり、追ってAndroidアプリも登場しました。その後、次々と新モデルが投入されます。
- 2月17日:推論プロセスを可視化する「Thinkモード」とウェブ調査機能「DeepSearch」を備えたGrok 3が、小型のGrok 3 miniとともに登場。4月にはAPIでも提供開始。
- 3月28日:xAIとX Corpが統合され、持株会社X.AI Holdingsが誕生。
- 7月9日:Grok 4、およびプレミアムプラン向けのマルチエージェント版Grok 4 Heavyが発表。同じ週、プロンプトの変更が原因でX上のGrok公式アカウントが不適切な反ユダヤ主義的返信を投稿し、世間の注目を集める問題の一つとなりました。
- 8月:8月4日に画像・短尺動画生成ツールGrok Imagineがローンチ。8月23日にはHugging FaceでGrok 2.5のウェイトが公開され、マスク氏はGrok 3も「約6か月以内」にオープン化すると発言。8月28日には高速で安価なコーディングモデルGrok Code Fast 1が登場しました。
- 9月19日:200万トークンのコンテキストウィンドウを持ち、推論・非推論の両モードに対応したGrok 4 Fastが登場。無料ユーザーにも提供されました。
- 11月17日・19日:より自然な対話に調整されたGrok 4.1と、開発者向けのGrok 4.1 Fastが発表。ウェブ検索、X検索、コード実行に対応したxAIのAgent Tools APIも同時に公開されました。
2026年:SpaceX傘下入りと毎月の新モデルラッシュ
- 2月2日:SpaceXが全株式取得によりxAIを買収し、子会社化。これに伴い、その後の数週間でxAIの共同創業者の多くが離脱しました。
- 2月中旬:4つのエージェントチームで回答を生成するGrok 4.20が、grok.comおよびアプリでベータ版として登場。
- 3月10日:APIでGrok 4.20およびGrok 4.20 Multi-Agentが正式提供開始。Grok 4.20は当サイトのチャットのデフォルトモデルです。
- 4月30日:加入者向けベータを経て、推論深度の調整が可能で100万トークンのコンテキストを持つGrok 4.3がAPIに登場。当サイトではGrok 4.3 Thinkingとして提供しています。
- 5月:ターミナル向けコーディングエージェントGrok Buildが、早期アクセスモデルGrok Build 0.1とともにベータ提供開始。
- 6月16日:動きや音声の品質が向上したGrok Imagine Video 1.5がリリース。
- 7月:SpaceXAIへのリブランディングが完了。買収合意に至ったコードエディタCursorのチームと共同トレーニングしたGrok 4.5が発表され、のちにgrok.com、X、各種アプリのメインモデルとなりました。
- 8月12日:長時間実行エージェントやビジュアルタスクに特化したGrok 4.6が登場。その2日後、SpaceXによるCursorの買収手続きが完了。
- 9月21日:さらに巨大な新ベースモデルを採用したGrok 4.7が登場。Cursor、Grok Build、API先行で、コーディングおよびナレッジワーク向けフラッグシップとなりました。
- 10月:法人名をSpaceXAI LLCのまま維持しつつ、通称をSpaceXSI(SpaceX Super Intelligenceの略)に変更。10月13日には、Grok、Grok Bot、Cursor、X Premiumを包括した「The X Subscription」が発表され、機能制限付きの無料プランに加え、月額8ドルからの有料プランが用意されました(2026年10月時点の価格)。月初には一般向けアプリにもGrok 4.7の展開が始まりました。
オープンウェイトモデル:実際にダウンロードできるもの
一般にウェイトが公開されているGrokモデルは2つのみで、いずれもxAIのHugging Faceページで入手可能です。
| モデル | 公開日 | ライセンス | 備考 |
|---|---|---|---|
| Grok-1 | 2024年3月17日 | Apache 2.0 | 3,140億パラメータのMoEベースモデル |
| Grok 2.5 | 2025年8月23日 | Grok 2 Community License | 約500GB。xAIは各40GB以上のVRAMを持つGPU 8基を推奨 |
| Grok 3 | 2026年初頭予定と告知 | 未公開 | 2026年10月現在、ウェイトは未公開 |
なお、Grok 2ライセンスは標準的なオープンソースライセンスとは異なり、xAIの利用規約に従った商用利用は認められているものの、他の大規模モデルの学習への利用は禁止されており、「Powered by xAI」のクレジット表記が必要です。Grok 3以降の全モデル(当サイトのチャットで提供中の3モデルを含む)は完全なクローズドソースとなっています。
これまでの進化から見える特徴
- 開発者先行から一般へ:Grok 4.5以降、新モデルはgrok.comやXよりも先に、CursorやAPIへ提供されるケースが多くなっています。
- 高速版とフル機能版の2系統:多くの世代で、軽量・安価なバージョンと高精度なフラッグシップ版が用意されており、近年のモデルでは推論の強度(思考の深さ)を調整できるようになっています。
- コンテキストウィンドウの大幅拡大:2024年の128,000トークンから、2026年には50万〜200万トークンへと大幅にスケールアップしました。
- 公約とリリースのズレ:予定の延期も少なくなく、Grok 4.20は当初の想定から数か月遅れでリリースされ、Grok 3のオープン化は実現していません。
- Xとの密接なつながり:Xとの連携はGrokの大きな強みであると同時に、数々の議論や批判を招く要因にもなってきました。
- めまぐるしい組織の変遷:xAI、X.AI Holdings、SpaceX子会社、SpaceXAI、そしてSpaceXSIへと、開発元は毎年のように姿を変えていますが、Grokという製品名や
grok-で始まるモデルIDは一貫しています。過去の記事やアプリストア情報、APIドキュメントで会社名の表記がバラバラに見えるのはこのためです。
Grok.Onlineで利用できるGrok
Grok.Onlineは、xAI、SpaceX、Xとは一切関係のない独立したサイトです。当サイトのチャットでは、クラウドAPIを介してこの歴史の中から3つのモデルをご利用いただけます。高速なデフォルトモデル「Grok 4.20」、推論に長けた「Grok 4.3 Thinking」、そして1日最大10メッセージまで試せる最新の「Grok 4.7」です。3モデルとも画像認識に対応していますが、ウェブ検索やX検索には対応していないため、知識はトレーニングデータのカットオフ時点のものとなります。Grokの全体像についてはGrokとは?、画像・動画生成ツールについてはGrok Imagineをご覧ください。

